前回は無事にReaperをインストールし、起動するところまで進みましたね。今回は、いよいよReaperで音を出すための準備と、作曲作業の土台となる「プロジェクト」を作成していきます。
まずは音が出るか確認!オーディオデバイス設定の再チェック
前回、Reaperの初回起動時にオーディオデバイスの設定を行いましたが、ここで改めて設定を確認し、実際に音が鳴るか試してみましょう。
- 設定画面を開く:Reaperのメニューバーから Options -> Preferences… を選択します。(Macの場合は Reaper -> Preferences…)
- オーディオ設定へ移動:左側のリストから Audio -> Device をクリックします。
- 設定内容の確認:
- Audio System:前回選んだものが表示されていますか?(例: ASIO, WASAPI, Core Audio)
- ASIO Driver (ASIO選択時): ASIO4ALLや、お使いのオーディオインターフェースのドライバが選択されていますか?
- Input device / Output device (WASAPIやCore Audio選択時): 音を出したいスピーカーやヘッドフォンに対応するデバイスが選択されていますか?
- よくわからない場合: もし音が出なければ、ひとまず「Audio System」で別の選択肢(例: WASAPI Shared mode や DirectSound、macOSなら内蔵出力など)を選んで「Apply」をクリックし、音が出るか試してみるのも手です。最適な設定は環境によりますが、まずは音を出すことを優先しましょう。
- サンプルレートとバッファサイズ(今は気にしなくてOK!):
- 設定画面に「Sample Rate」や「Block Size (Buffer Size)」といった項目があります。これらは音質や音の遅延に関わる設定ですが、今はデフォルトのままで大丈夫です。
- 簡単に言うと、「Sample Rate」は音の細かさ(高い方が高音質だがPC負荷も上がる、CD標準は44100Hz)、「Block Size」は音の処理の単位(小さい方が音の遅延は減るがPC負荷が上がり、ノイズが出やすくなる)です。
- 今は 「へぇ、そんな設定があるんだ」 くらいに思っておけばOK!必要になったら、また詳しく解説します。
テスト!メトロノームで音出し確認
設定が正しければ、Reaper内で音が出せるはずです。一番簡単な方法で確認してみましょう。
- メトロノームを有効にする:Reaperメイン画面の上部にあるツールバーに、カチカチ音を鳴らすメトロノームのアイコンがあります。これをクリックして、背景が少し明るくなる(オンの状態)にしてください。
- 再生ボタンを押す:同じくツールバーにある再生ボタン(右向き三角 ▶)をクリックするか、スペースキーを押します。
どうでしょうか?メトロノーム音(電子音)が聞こえましたか?
- 聞こえた場合:おめでとうございます!Reaperで音を出す準備が整いました!停止ボタン(■)を押すか、もう一度スペースキーを押してメトロノームを止めましょう。
- 聞こえない場合:
- PC本体やスピーカー/ヘッドフォンの音量がミュート(消音)になっていませんか?
- Reaper右下にあるマスターボリュームフェーダーが極端に下がっていませんか?(0dBあたりにあればOK)
- それでも聞こえない場合は、オーディオデバイス設定を見直してみてください。別の「Audio System」や「Output device」を試してみましょう。
作曲スタート!新しいプロジェクトを作成しよう
音が出ることを確認できたら、いよいよ曲作りのための「作業スペース」=プロジェクトを作成します。Reaperを起動すると、通常は自動的に新しい無題のプロジェクトが開かれていますが、改めて作成・設定する手順を確認しましょう。
- プロジェクトとは?:これから作る曲の、すべての情報(打ち込んだMIDIデータ、オーディオ録音、設定など)を保存しておくためのファイルです。ゲームでいうセーブデータのようなものですね。
- 新規プロジェクト作成:メニューバーから File -> New project を選択します。
曲の基本情報を設定!テンポ(BPM)と拍子
プロジェクトには、曲の基本的な情報、特にテンポ(曲の速さ)と拍子を設定します。
- プロジェクト設定を開く: メニューバーから File -> Project Settings… を選択します。(ショートカットキー: Alt + Enter)
- テンポ (BPM) の設定:
- Project Settings タブの中にある BPM: という項目を探します。これが曲のテンポ(1分間の拍数)です。
- デフォルトは120になっていることが多いです。今回はメタル系の曲を作るので、少し速めに設定しましょう。試しに 160 と入力してみてください。
- 拍子の設定:
- BPM: の隣にある Time signature: を確認します。通常は 4/4 になっているはずです。これは最も一般的な「4分の4拍子」を意味します。メタルでも基本はこの拍子なので、そのままでOKです。
- 設定を適用:下の OK ボタンをクリックして、設定を反映させます。
超重要!プロジェクトを保存しよう
作業を始める前に、必ずプロジェクトファイルを保存しましょう!こまめな保存はDTMの鉄則です。
- 保存画面を開く: メニューバーから File -> Save project as… を選択します。
- 保存場所とファイル名:
- どこに保存する?:デスクトップやドキュメントフォルダの中に、「Reaper Metal Project」のような、わかりやすい名前のフォルダを新規作成し、その中に保存することをおすすめします。
- ファイル名:曲名が決まっていればその名前で、決まっていなければ「Metal_Song_01」のような、わかりやすい名前をつけましょう。
- 重要オプション!:ファイル名を入力する欄の下にある Create subdirectory for project というチェックボックスに、必ずチェックを入れてください!
- これにチェックを入れると、プロジェクトファイル(.RPP)と同じ場所に、プロジェクト名のフォルダが自動で作成され、録音したオーディオファイルなどがその中にまとめて保存されるようになります。後々ファイル管理が非常に楽になるので、強く推奨します。
- 保存実行:保存 ボタンをクリックします。
これで、あなたの最初のメタルプロジェクトがPC内に保存されました!タイトルバーに、設定したファイル名が表示されているはずです。今後は、作業の区切りごとに File -> Save project (Ctrl+S / Cmd+S) で上書き保存するのを忘れずに!
今回のゴール
お疲れ様でした!今回は、
- Reaperで音が出ることを確認し、
- 曲のテンポを設定し、
- プロジェクトファイルを正しく保存する
ところまで進みました。これで、いよいよ楽器の打ち込みを始める準備が整いました!
次回予告
第03回は「メタルの心臓部!ドラム音源(VSTプラグイン)を導入しよう」です。
パソコンでリアルなドラムサウンドを鳴らすための「ドラム音源」とは何か、無料で使えるおすすめのドラム音源を紹介し、Reaperで使えるように設定する手順を解説します。ついに楽器の音が登場しますよ!