ドメイン移管の知識と手順

円安の影響からか、所有しているドメイン価格の値上げが止まりません。私は古くから海外の上位レジストラを使ってきたのですが、最近になって価格メリットのある日本の上位レジストラとの契約に移管しました。以下、その際の経験を基に移管手続きについての情報まとめます。

ドメイン移管自体は単純

ドメイン移管の手続き自体は単純です。移管元のサービスでしかるべき移管準備をした上で、移管先のサービスで契約をしてしばらく待てば移管は完了します。

ただし単にドメインを所有しているのみではなく、実際にドメインを使ってウェブサイトやメールシステムの運用している場合、状況に応じたDNSの再設定が必要になる場合があります。DNSサーバーは、レジストラのサービスで提供、もしくは契約しているWebサーバーの会社で提供、などのケースがあるため、自分の状況に応じた設定をしてください。

ドメイン移管の費用

契約するサービスにより内容が異なる場合もありますが、移管作業を自分で行う場合、原則的に必要な費用はドメインの移管先に支払う移管費用のみです。移管費用は、1年間分のドメイン維持費用相当です。

新しい契約も進めることになるため、結果的にどの程度の費用がかかることになるのか気になるかと思います。

通常、移管が完了すると移管対象のドメインの有効期限が1年間延長されるので、移管費用そのものは手数料のように消費されるものではなく、ドメインの1年分の維持費に充当されます。

ドメイン移管にかかる期間

ドメインの移管には、自分で行う準備や設定などの時間とは別に、移管の申し込みをしてからしばらく待たなければならない時間があります。

ドメインの移管先に移管の申し込みをしてから、だいたい1週間から2週間くらい完了までに待つ必要があるようです。私が実際に移管した際は、申し込み手続きから9日後に移管先の会社から完了のお知らせメールが送られてきました。

ドメイン移管中のサイトの状況

ドメインの移管申請をしたタイミングから、突然サイトが表示されなくなるということはありません。ドメインの契約先が変わるだけの話であり、設定しているDNSサーバーでドメインとサーバーが紐づけられている限り、契約が進んでもサイトは通常通り表示され続けます。

ただし、DNSサーバーをドメインの移管元のサービスで用いているような場合は、契約が変更された段階で使えなくなる場合もあるかもしれません。通常は無料で使い続けられることが多いですが、契約上使えないようなことがあれば、速やかに新しい契約内で使えるDNSサーバーで再設定をする必要があります。

ドメイン移管完了後の手続きとサイトの状況

ドメインの移管のみの場合は、移管元の契約に付帯している無料のDNSサーバー、もしくはサーバー契約に付帯しているDNSのサービスを使っていることも多いかと思います。その場合、そのまま特に設定することなく移管完了となります。

一方、ドメインの移管に合わせてサーバーの契約も変更する場合、新しいサーバーに仕向けたDNSサーバーの設定変更が必要になります。通常は、古いDNSサーバーの設定を削除した上で、新たに契約したサーバー側のDNSサーバーを使って、新しい設定をする必要があります。

つまり、サーバー契約も新しくする場合は、新しい環境でのコンテンツの準備とドメインの紐づけが必要であり、その設定が完了するまではサイトが表示されないことになります。この状況は、新規にドメインとサーバーを契約し、ドメインをサーバーに紐づける手続きに同じです。

ドメイン移管できないケースについて

正しい手続きを踏んで進めていけば、移管は問題なく進められるはずです。しかし移管手続きの都合上、取得して間もないドメインや有効期限の短いドメイン、独別な契約をしているドメインは移管できない場合があります。こちらの詳細については、必ず移管前に移管元、移管先の情報で自分が該当しないかの確認をしてください。

ドメイン移管手続きの手順について

以下、具体的なドメイン移管の手順について記します。

事前確認[移管元]

自分の契約がドメイン移管可能であるか、特に移管元の契約について確認しておく。

WHOIS情報公開代行の解除[移管元]

WHOIS情報を自分の個人情報とせずに、契約先の情報として公開代行をしている場合は、その設定を解除し自分の情報を正しく登録し直す。(最初から自分の情報である場合は特に何もする必要なし)

認証鍵を得る[移管元]

移管先に伝える必要があるため認証鍵(Auth-Code)の情報を得る。私の場合は、移管元の管理画面から申請しメールで情報が送られてきました。

ドメインロックを解除[移管元]

勝手にドメイン移行ができないよう、ロック機能がかかっている場合は多いです。管理画面よりドメインロックを解除します。

移管申請[移管先]

移管先のページからドメインの移管申請を行います。移管先のサービスの会員になっていない場合、最初に会員登録が必要になる場合があります。申請の際に、手順の3で入手した認証鍵(Auth-Code)を入力します。また合わせて移管費用を支払います。

移管完了[移管先]

特に問題が無い場合、移管手続きは会社間で粛々と行われるため、完了の連絡を待つのみです。完了の連絡が来次第、移管先の管理画面からドメインの設定が可能です。

完了後設定[移管元/移管先]

移管後の環境に応じ、移管元の設定変更や削除、移管先の設定を進めます。後は、新規にドメインを取得した後の設定と同じです。

私のケース紹介

私は2023年6月の段階で上位レジストラを eNom、リセラーを Value-domain として orgのドメインを運用していたのですがその当時の価格は2,388円/年。リセラーを同じくして国内レジストラのGMOに契約変更した場合は1,914円とのことでした。

国内の上位レジストラは安そうだということで、他の国内のレジストラのネットオウルを確認してみたところ、orgは1,630円/年(+今後の決済で使える326円分のポイント)。ネットオウルの場合、ここで直接ドメインの契約をするとWordPressを載せることができるサーバーが無料で使えるため、総合的にかなりのコストメリットがありました。

私の場合はValue-Serverからネットオウルのスターサーバーにサーバー移転も行ったため、旧サーバーからのコンテンツの移動とDNSの再設定が必要でした。

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