万物は流転する

「万物は流転する」とは、古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスが残したとされている言葉です。シンプルに言えば「すべてのものは常に変化し続ける」という意味で、仏教では「諸行無常」として表現されるものです。

私たちが生きる現在、まさに類を見ない変化が起きていると言われています。グローバリゼーション、AI・IoT、超高齢化社会、新型コロナウィルス、中国の経済的影響力、こういった要因の中、私たちは未だかつてない変化にさらされているというわけです。

しかし冷静に捉えてみれば、変化は現在に限った話ではありません。歴史を振り返れば国や文化は常に変化を続けてきており、宇宙もビッグバンから始まり現在の姿に至っています。生物も原始的なカタチからいまのカタチに進化を続けており、人もまた赤ん坊から大人・高齢者へと、精神的・肉体的に大きな変化を一生の内に遂げています。

不変であると信じたい「愛」を前提とした関係においても、人である以上は誰かが先に一生を終えることになります。愛のカタチも状況により変わっていく。歴史を通し普遍であると思いたい伝統もまた、実際は過去からの変化の集積であり、また時代に合わせ進化を続けているというのが事実です。

変化してゆくことは当然であることを認めましょう。そして変化の流れを生かした創造を続けましょう。いまこの瞬間もエントロピーは不可逆に増大を続けています。変化の流れはだれにも止められない。これこそ運命といえましょう。

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