MG-30 Effectors

MG-30に搭載されている各エフェクターについて、モデルとなる製品や音の特徴についてまとめました。

GATE

NOISE GATE
不要なノイズやハムを削減し、クリーンなサウンドを維持するために使用されるエフェクトペダルのモデリング。「BOSS NF-1」をモチーフにしている。ギターのサスティンが消失するのを防ぎながら、ギターのシグナルが小さくなると音量を自動的に遮断する。ハイゲインのアンプやエフェクトチェーンで特に有用。

COMPRESSOR

ROSE COMP
ウォームでナチュラルな圧縮サウンドが特徴の「ROSS COMPRESSOR」をモチーフにしたコンプレッサーのモデリング。シンプルな2つのノブで操作しやすく、音量の均一化とサステインの増強に優れ、原音をスポイルすることなくファット感が増した立体感のあるサウンドが特徴。クランチ系との併用でブースター的な使い方もできる。
K COMP
透明かつナチュラルなコンプレッション効果で、サスティンの向上と音の均一化を実現する「KEELEY COMPRESSOR」をモチーフとしたモデリング。Sustain、Level の2つのノブに加え、clipping ノブでサウンドの歪み特性や圧縮感を変化させ、自然でウォームな音からエッジの効いた攻撃的な音まで調整が可能。
STUDIO COMP
Threshold、Ratio、Gain、Release の4つのノブで、スタジオやライブで使われる洗練された音作りを実現するコンプレッサーのモデリング。自分好みの細かい設定により、音量のバランスを整え、サステインを自然に増強させる。

WAH

CLYDE
トランペット奏者Clyde McCoyのサウンドを模倣するために作られたワウペダル「VOX Clyde McCoy Wah」のモデリング。1960年代に登場したワウペダルでありヴィンテージワウの基準。独特の「クワッキング」サウンドで、トランペットのミュートをかけたような効果が得られる。ノイズや音痩せのないその豊かなトーンと表現力で未だに影響を与え続けている。
CRY BB
鋭いワウサウンドが特徴のワウペダル「CRY BABY」のモデリング。フィルター幅はやや狭めでハイが強調されたエグい掛かりが得られることで知られている。アタックが強く、鼻詰まり感のある鋭いサウンドが特徴。ワウペダルのスタンダードとして数え切れないほどのギタリストが愛用しており、歪んだサウンドに合わせて使用するとエグさが際立つ。
V847
中低域の太さと高域のスムーズさが特徴的な「VOX V847 WAH」のモデリング。「VOX Clyde McCoy Wah」を基にした現代のプレイヤー向けに改良された復刻モデル。クラシックでヴィンテージなワウサウンド重視する場合にその価値が際立つ。
HORSE WAH
Steve Vai のシグネチャーモデルとして開発されたワウペダル「MORLEY BAD HORSIE WAH」のモデリング。広い周波数レンジを持つことで、高速なプレイやハイゲインなサウンドに最適な仕様になっている。Contour のつまみで音色の明暗、Range のつまみでサウンドの周波数範囲を調整することができ、多様なトーンやスタイルに対応。
OCTAVE SHIFT
元祖ピッチベンディング・ユニット「DIGITECH WHAMMY」をモチーフとしたピッチシフトペダルのモデリング。ノントレモロギターでもワミープレイのような効果に使えることからワミーペダルと呼ばれる。ダウン/アップチューニングを足元で自在にコントロールできる。飛び道具的なインパクトのある音の変化を演出する。

PRE EFX

DISTORTION+
80年代を代表するディストーションペダル 「MXR DISTORTION+」のモデリング。Output と Distortion の2つのノブからなるシンプルな操作性。ハードロック/へヴィメタルを支えた荒々しくパワフルな定番のクラシックディストーション。軽いオーバードライブからファズっぽい歪みまで広範囲に対応。トーンノブはなく音色はアンプやギター側でコントロールする。
RC BOOST
RC(Real Clean) と冠する通りクリーンブーストとトーンシェイピング機能を備えたブースター「Xotic RC BOOSTER」をモチーフにしたモデリング。Gain、Vol、Bass、Treble の4つのノブで、プリアンプのような役割でギターサウンドにプレゼンスとクリアネスを与え、他のエフェクトペダルとの相性が良い。
AC BOOST
ギターの音をナチュラルに太くしつつ、チューブアンプのような温かみのある歪みを加える「Xotic AC BOOSTER」のモデリング。AC(Almost Clean) と冠する通り、オーバードライブとクリーンブースターの中間としてサウンドを強化する。4つのノブで細かなトーン調整が可能で、クリーンサウンドからミディアムオーバードライブまで幅広いサウンドをカバー。
DIST ONE
1978年の発売以来、多くのプロ・ギタリストに愛用されている定番ディストーション「BOSS DS-1 DISTORTION」のモデリング。ファズほど荒々しくはなく、オーバードライブほどソフトではない、中程度の歪みが得られる。歪ませても音を潰しすぎず、ギターやピックアップの違い、奏法等による⾳⾊に素直に反応。Level、Tone、Drive の3ノブ仕様。
T SCREAM
ミッドにフォーカスした温かく粘り感のあるナチュラルなオーバードライブサウンドが特徴的な「Ibanez TUBE SCREAMER」のモデリング。Drive、Tone、Level の3つのノブを持ち、真空管アンプの前段に置くと、トーンを豊かにしながらアンプのクリーンチャンネルをプッシュ。まさにアンプがスクリームする伸びやかなリードトーンが得られる。
BLUES DRV
入力レベルやピッキング・ニュアンスに素直に反応するアンプ・ライクな回路設計のオーバードライブ「Boss BLUES DRIVER」のモデリング。Level、Tone、Gain の3ノブ仕様。可変域の広いゲイン・コントロールにより、ブルージーなサウンドからディストーションサウンド、さらにはゲインブースターとしても使用可能。
MORNING DRV
クラシックでナチュラルなオーバードライブサウンドを追求したペダル「JHS Morning Glory」のモデリング。強いサウンドキャラクターの変更をしない、透明なオーバードライブペダル。ギターの特性やピッキングニュアンスに素直な音色を実現。主にブルース、ロック、カントリーなどで使用され、クリーンブーストや軽いオーバードライブを得意とする。
EAT DIST
歪ませるほどに太く攻撃的なサウンドが魅力のディストーションペダル「PROCO RAT」のモデリング。Distortion、Filter、Volumeの3ノブ仕様。Filterを右に回すと高音域をカットし、ウォームでマイルドなオーバードライブサウンドに、左に回すとブライトで際立つディストーションサウンドに変化。
RED DIRT
名機「Ibanez Tube Screamer」をベースにしながら、より広いダイナミックレンジと豊かなサウンドを実現したペダル「KEELEY RED DIRT」のモデリング。より太く、パワフルなミッドレンジを持ちつつも、TS系特有のコンプレッション感が抑えられているため、自然な鳴りが得られる。TS系よりもゲインが高く、幅広いジャンルに対応。
CRUNCH
Marshall JCM800の歪みを再現したハイゲイン・ディストーションペダル「JHS Angry Charlie」のモデリング。Volume、Tone、Gainの3ノブ仕様。ブリティッシュなテイストを持った豊かなベースのレスポンスと厚いミッドを持ち、クラシックなディストーションからハイゲインディストーションまでを実現。
MUFF FUZZ
分厚くサステインの長い歪みと、特徴的なミッドスクープサウンド(中音域が削れた音)が特徴の伝説的なファズ/ディストーション「EHX BIG MUFF PI」のモデリング。中音域が削れるドンシャリサウンドが特徴的。バンドアンサンブルでは抜けにくいが、壁のような分厚い音作りに最適。ソロプレイでは、トーンを調整して存在感を出すのがコツ。
KATANA
余計な色付けをせず、チューブアンプを自然にプッシュすることに特化したペダル「KEELEY KATANA CLEAN BOOST」のモデリング。素直なクリーンブースターからゲインブースターまで幅広く対応可能。ノイズレス機能とハイ・グレードな音質からバッファーとしての利用も可能。BoostスイッチとVolumeの2ノブ仕様。

EQ

6-BAND EQ
BOSSの6バンドのグラフィック・イコライザーをモチーフとした6バンドのグラフィック・イコライザー。各バンドで特定の周波数帯域をブーストまたはカットすることで、音抜けを良くしたり、歪みのキャラクターを変えることができる。EQ(100 / 200 / 500 / 1.2k / 2.8k / 6.4kHz)とLevelを搭載。
ALIGN EQ
アコースティックギター専用のパラメトリックEQ「L.R.BAGGS ALIGN SERIES EQUALIZER」のモデリング。ハイパスフィルター(50 / 80 / 160Hz)と6バンドのEQ(110 / 340 / 660 / 1.3K / 2.6K / 5KHz)、Volumeを搭載。不要な周波数をカットしたり、倍音を強調したりすることで、アコギの音をよりクリアで表現豊かにする。
10-BAND EQ
ギターやベースの音を細かく調整できる10バンドのグラフィックイコライザー「MXR 10 Band Graphic EQ」のモデリング。10バンドのEQ(31.25 / 62.5 / 125 / 250 / 500 / 1K / 2K / 4K / 8K / 16K)を備えており広い周波数範囲をカバー。VOL、GAIN の調整よりクリーンブーストも可。
PARA EQ
特定の周波数帯域をターゲットにしてブーストまたはカットすることができるパラメトリックイコライザー。低域、中域、高域の3つのバンドで構成。各バンドには、中心周波数、幅(Q)、およびゲインコントロールがあり、特定の周波数帯域のみを調整できる。

MODULATION

CE-1
温かみのあるアナログな揺らぎと立体感が特徴的な世界初のコーラス専用エフェクター「ROLAND CE-1 Chorus Ensemble」のモデリング。ギター以外の楽器も想定されていたため、インプット・バッファー部分で起こる音色への色付けが非常に強い。美しいアナログサウンドは、クラシックなコーラスサウンドを求めるミュージシャンによって高く評価されている。
CE-2
世界初のコンパクト・コーラス・ペダル CE-1 の後継機として登場した「ROLAND CE-2 CHORUS」のモデリング。アナログBBDを採用した暖かみのある音が特徴。アナログ回路の特性上、重ねた時に高音域が伸びづらいが、相対的に、中音域に厚みとコシのあるサウンドが生まれる。Rate と Depth の2ノブ仕様。
STEREO CHORUS
温かみのあるアナログ・コーラス・エフェクターで、特に立体的なステレオ効果が魅力的な「MXR STEREO CHORUS」をモチーフとしたモデリング。左右で異なる位相の揺らぎが生まれ、奥行きと広がりのある美しいコーラスサウンドを作り出せる。
VIBRATOR
アナログ・ヴィブラート・ペダル「BOSS VB-2 Vibrato」のモデリング。コーラスやフェイザーとは異なり、音のピッチそのものを揺らし、独自のヴィブラート効果を提供する。トラディショナルなヴィブラートサウンドを求めるギタリストにとって、欠かせないエフェクトペダル。
DETUNE
微妙なピッチシフト効果をステレオ出力で提供するエフェクター。この効果は、入力信号のピッチをわずかに上げたり下げたりして、原音とピッチシフトされた音を混ぜることで、厚みのある豊かなサウンドを作り出す。コーラスエフェクトに似ているが、モジュレーションがないため、揺れのない安定したサウンドが特徴。
FLANGER
クラシックなアナログ・フランジャー・ペダル「BOSS BF-2 Flanger」のモデリング。ジェット機のような「シュワー」といった独特の音色を生み出すオーディオエフェクト。ディレイ回路で原音に混ぜて干渉波を生み出すのが特徴で、金属的なサウンドになる。軽いジェット音から深いスウィーピング効果まで、幅広いフランジャーサウンドを実現。
PH 90
特有の「うねり」や「膨らみ」のあるサウンドを生み出すフェイザーペダル「MXR PHASE 90」のモデリング。ノブがひとつだけのシンプルな操作ながら、音に動きや表情を加えたいときにその真価を発揮するフェイズシフター。幅広いジャンルで使用され、ギターだけでなく、ベースやキーボードに使われることも多い。
PHASE 100
MXR Phase 90の後継として広い可変範囲と深いフェーズシフトが特徴的な「MXR PHASE 100」のモデリング。深い揺れと変化を加えることで、ギターやベースのサウンドに奥行きと広がりを持たせる。サウンドに動きと生命を加えるためのエフェクトとして、シンプルな操作で多彩な音作りが可能。
S.C.F.
クリーントーンをさらに美しく、浮遊感のあるサウンドを生み出すコーラス系のペダル「TC Electronic Stereo Chorus+」のモデリング。クリーンで透き通るようなサウンド、ステレオ環境で真価を発揮する立体感、コーラス、フランジャー、モジュレーションの多機能性を持つ。
U-VIBE
モジュレーション系の様々なエフェクトをバランスよくミックスした独特のサウンドつくるエフェクトペダル「UNIVIBE」のモデリング。特に、ファズやディレイと組み合わせると、ジミ・ヘンドリックスの演奏で話題となった「水中サウンド」と言われるようなサイケデリックなウネリが生み出される。
TREMOLO
音量(ボリューム)を周期的に上下させることで、揺れるような効果を生み出すエフェクトペダル「BOSS TR-2 TREMOLO」のモデリング。音程は変わらず、音の強弱だけが波のように変化するのが特徴。まるで音が「グワングワン」と脈打つようなサウンドをつくる。クラシックなトレモロや、ゆったりとした揺れで幻想的なサウンドを再現。
RTY SPK
ロータリースピーカー(回転式スピーカー)の持つ独特の揺らぎと空間感のあるサウンドを再現するためのエフェクター。実際のロータリースピーカーはスピーカーやホーン部分が物理的に回転することで、ピッチのわずかな変化(モジュレーション)、音量の周期的な揺らぎ(トレモロ感)、立体的な広がりを生み出す。
HARMONY
演奏した音からハーモニーがつくれるエフェクトペダル「DIGITECH Whammy Ricochet」をモチーフにしたモデリング。元の音に対して特定の音程差(例:3度上、5度下など)の音を重ね、まるで複数人で演奏しているような厚みのあるサウンドを作り出す。正しいハーモニーを作るために、曲のキーを指定する必要がある。

Delay

ANALOG DELAY
BBD(遅延素子)を使ったBOSSのフルアナログ回路設計ディレイのモデリング。デジタルには無いウォームで柔らかく心地良い響きが特徴。3つのノブで、ディレイ・タイムに相当するREPEAT RATE、ディレイ・レベルに相当するECHO、フィードバックに相当するINTENSITYのコントロールが可能。
DIGI DELAY
BOSSのデジタルディレイである DD-(番号) シリーズのモデリング。ステレオ接続により広がりのある空間を演出し、アナログとは違ったクリアなディレイ音が特徴。3つのノブでEFFECT LEVEL、FEEDBACK、DELAY TIMEのコントロールが可能。最新の BOSS DD-8 は多機能なべダルだが、ここではデジタルディレイの機能に絞られている。
MODULATION
1980年代にIbanezから発売されたアナログ・デジタル・ハイブリッドのディレイペダル Ibanez DML Modulation Delay のモデリング。モジュレーション機能が特徴的で、コーラスやフランジャーのような効果を加えた独特なディレイサウンドを作ることができる。80年代のデジタル技術を活かしつつ、アナログの温かみを持った個性的な音作りを演出。
TAPE ECHO
磁気テープを使用してディレイ(遅延)効果を生み出すエフェクトペダルのモデリング。テープの自然な圧縮やわずかな歪みによる温かみや、テープの経年劣化やモーターの微妙なズレによる揺らぎ、フィードバックの自然な減衰、テープの飽和(サチュレーション)にゆる歪みなど、独特の温かみや揺らぎのあるサウンドが特徴。
REVERSE DELAY
録音した音を逆再生するようなディレイエフェクトのモデリング。通常のディレイは音がそのまま遅れて返ってくるが、リバースディレイはエコー音が逆再生されるため、フェードインするように聞こえ独特な響きが生まれる。通常のディレイと違い明確な反復がなく、音の波が滑らかに重なり合い幻想的なサウンドになる。
PAN DELAY
ステレオ・パンニング機能を備えたデジタルディレイのモデリング。通常のディレイとは異なり、ディレイ音が左右に動く(パンする)ことで、広がりのある空間的なサウンドを作り出す。サイケデリック、シューゲイザー、アンビエント系 の音楽に特に向いている。
DUOTIME
2つの独立したディレイエンジンを搭載したステレオ・デジタルディレイのモデリング。2系統のディレイを別々に設定可能で、ディレイタイムの調整により複雑なリズミックディレイが作れる。多機能なNUX DUOTIMEがモデルとなっているが、ここでは独立2系統のディレイの機能に絞って実装されている。

REVERB

ROOM
部屋の中のような軽めのリバーブで自然な音場感を作るエフェクター。ナチュラルで温かみのあるリバーブが得られる。DECAY(リバーブの残響の長さを調整)、TONE(リバーブの音色を調整)、LEVEL(ドライ信号とエフェクト信号のバランスを調整) の3つのノブでコントロールが可能。
HALL
音質の深さと広がり感において一線を画しているプロフェッショナル向けのデジタル・リバーブ・ユニット「Lexicon 224 Hall Reverb」のモデリング。非常にナチュラルで広がりのある残響が特徴。特に、オーケストラのような大きな音の空間感や、ヴォーカルや楽器に温かみを与えるエフェクトとして優れている。各種調整パラメータにより、細かい音作りが可能。
PLATE
金属板(プレート)を振動させてエフェクトを生み出す仕組みのリバーブエフェクターのモデリング。プレートリバーブの音質は非常にナチュラルで温かみがあり、音楽の空間的広がりを効果的に作り出す。DECAY(リバーブの残響の長さを調整)とLEVEL(ドライ信号とエフェクト信号のバランスを調整) の2つのノブでコントロールが可能。
SPRING
音をスプリング(バネ)に伝え、その振動が音響的なリバーブ効果を生み出すしくみのスプリングリバーブのモデリング。残響がナチュラルで、金属的な響きが特徴。ギターのサウンドに特有の「スプラッシュ感」や「跳ね返り感」を加え、サウンドに深みと広がりを与える。特にサーフロックでは、このリバーブが重要な役割を果たし、音に「跳ねる」ような質感を加える。
SHIMMER
リバーブ効果に加えて、オクターブシフトを取り入れ、音をより壮大で夢幻的にするシマー・リバーブのモデリング。このオクターブシフトは、音の深さや広がりを増加させ、浮遊感や夢のような質感を加える。シマー・リバーブは、アンビエントやポストロック、エレクトロニカなどのジャンルで利用されることが多い。

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