ピッチ系エフェクターは、楽器の音の高さ(ピッチ)を変更するためのエフェクト装置で、音楽の表現力を高めるために使用されます。以下に、ピッチ系エフェクターの主な種類と役割、主なパラメータ、音作りの手順例、実際の設定例について説明します。
主な種類と役割
- ピッチシフター (Pitch Shifter)
- 役割:音の高さを変えて、異なるピッチの音を生成する。原音に対して一定の音程で上下にシフトする。
- 特徴:原音に対してハーモニーを追加したり、ユニークな音響効果を生み出す。
- オクターバー (Octaver)
- 役割:原音の1オクターブ上または下の音を生成する。厚みのある音を作り出すために使用される。
- 特徴:原音とオクターブ音を重ねることで、リッチで深みのあるトーンを作り出す。
- ハーモナイザー (Harmonizer)
- 役割:特定の音程でハーモニーを生成する。原音に対して音程を設定して、複数のハーモニーを追加する。
- 特徴:和音の効果を生み出し、ソロやメロディラインを強化する。
主なパラメータ
- シフト量 (Shift Amount)
- 音程のシフト量を調整する。半音単位で設定可能。
- ブレンド (Blend) / ミックス (Mix)
- 原音とエフェクト音の混合比を調整する。高く設定するほどエフェクト音が強調される。
- デチューン (Detune)
- 微妙な音程のずれを調整する。少しずらすことで、コーラスのような効果を生み出す。
- フォルマント (Formant)
- 音色や声質を変えるためのパラメータ。特にボーカルエフェクトで使用される。
音作りの手順例
- 初期設定
- エフェクターをオフにした状態でアンプのクリーントーンを確認する。
- エフェクターをオンにして、ミックスを50%に設定して原音とエフェクト音がバランスよく聞こえるようにする。
- シフト量設定
- 必要なシフト量(例:+1オクターブ、-5半音など)を設定する。
- ブレンド/ミックス調整
- 原音とエフェクト音のバランスを調整し、好みのミックス比に設定する。
- 微調整
- デチューンやフォルマントを使用して、さらに音色を微調整する。
実際の設定例
ピッチシフター
- シフト量:+7半音(5度)
- ブレンド:50%
- デチューン:5セント
オクターバー
- シフト量:-1オクターブ
- ブレンド:70%
- デチューン:オフ
ハーモナイザー
- シフト量:+3度(メジャー3度)
- ブレンド:60%
- デチューン:10セント